6歳に「給料」を払い続けた結果、勝手に小学3年生の問題を解き始めた

森翔吾です。

以前、こんな記事を書きました。

あわせて読みたい
6歳に「給料」を払ってみたら、一気に「勉強ブーストモード」になった話 森翔吾です。 今日は、 子育てにおいて 多くの親御さんが 頭を抱えるであろうテーマ、 「子供の勉強へのモチベーション」 と、 「マネー教育」 について。 現在進行形で...

・勉強したら現金を渡す
・貯まったらRobloxに課金する

「勉強=労働」として
対価を払うシステムを導入した
という内容でした。

あの記事の時点で、

算数36問(1桁の足し算・引き算)
のタイムが、

25分→8分→5分

まで縮まっていました。

あれから約1ヶ月半。

結論から言います。

お金を払わなくても勝手に
勉強するようになりました。

しかも、

想像の遥か上を行く形で。

 

目次

36問、2分。テキストブックの想定外

まず、タイムの話から。

5分だった記録が、

4分、4分、3分、4分、3分……

と縮まっていき、

ある日、とうとう
2分台に突入しました。

ソフィアが使っている
テキストブックには、

目安としてこう書いてあります。

・5分以上:ちょっと微妙な顔のマーク
・4分:普通の顔(無表情)
・3分以内:笑顔のマーク(=優秀)

2分の欄は、
そもそも存在しません。

テキストの制作者が
想定していないレベルです。

初めて2分が出た日のこと、
はっきり覚えています。

僕はパソコンに向かって
仕事をしていました。

かなり集中モードだったので
正直に言えば、

「邪魔しないでほしい」

と一瞬思った。

でも、

廊下からバタバタと
走ってくる足音。

部屋のドアが開いて、

「パパパパパパ!見て!!」

その勢いで、
一瞬にして悟りました。

「これは、
何かすごいことが起きたんだな」

と。

僕はMacのスリープボタンを押し、

マウスからもキーボードからも
手を離して、

椅子ごとソフィアの方を
向きました。

中途半端に画面を見ながら
「すごいね」と言うんじゃなくて、
正面から向き合う。

ソフィアが差し出した
テキストブックには、

「2」

という数字。

満面の笑み。

「すごいでしょ!!」

この瞬間、

この子の中で何かが
決定的に変わったんだな、
と感じました。

 

ニンマリ顔から「すまし顔」へ

最初の頃は、

2分が出るたびに
嬉しそうなニンマリ顔で
見せに来ていました。

でも、最近は違います。

「こんなの当たり前でしょ」

というすまし顔。

たぶんソフィアは、

テキストブックの
笑顔マーク(優秀)が
3分だと知っているから、

2分の自分は
それより上にいる
わかっている。

「みんなはまだ
足し算やってないんだよ。
小学生のお姉ちゃんたちが
やることなんだよ」

と伝えると、

「じゃあ、私すごいんだね」

と、少し誇らしげな顔。

実際にすごいことですからね。

客観的に見ても。

人間は比較する生き物です。

「人と比べるな」

とよく言われるけど、
子どものうちは

「自分はできるんだ」

という感覚を持つことの方が
遥かに大事だと僕は思います。

そのうち嫌でも、

もっと上がいることに気づく。

自慢しても
しょうがないことにも気づく。

でも今は、

あの「すまし顔」が
何よりの成果です。

 

最大の変化——お金が消えた

ここが一番大事な話です。

前回の記事では、

「ご褒美で釣るのは悪なのか?」

という議論を書きました。

結論として、

「今は緊急ミッション中だから
外発的動機でいい」

と割り切った。

そもそも幼稚園児に
勉強させるのは
無理があると思ったので。

でも、

心のどこかで
こんな不安もありました。

「お金もらわないと
勉強しないよ」

と言い出したらどうしよう——。

1ヶ月半後、
何が起きたか。

ソフィアの方から、
お金を要求しなくなりました。

以前は、

「もうちょっとでRoblox課金だよ、
頑張りなよ」

と、こちらから
モチベーションを
焚きつけることもあった。

勉強したくないと
言う日もあった。

でも今は、

勉強が日課になっている。

朝起きて、ご飯を食べて、
勉強する。
当たり前のこととして。

先日、家族でタイに
旅行に行きました。

妻がテキストブックを
持っていったんですが、

飛行機の中でソフィアは
自分から問題を解き始めました。

旅行中ですよ。

しかも飛行機の中で。

普通、旅行中に
勉強なんてしないでしょう。

でもソフィアにとっては、
もう「好きなこと」
なんですよね。

通路を挟んだ向こう側から、

「パパ見て!2分!」

と、またあのすまし顔

飛行機の中でも2分。

もう場所は関係ない。

そして勉強が終わったら、
好きなRobloxで遊ぶ。

これは、

「勉強したらゲームの課金」

とはもう全然違う構造です。

勉強は勉強の達成感で回っている。

ゲームはゲームで楽しんでいる。

くっつけたからこそ、分かれた。

最初にセットで回し始めたから、
それぞれの楽しさに気づけた。

結果として自然に分離した。

これは正直、

僕が一番驚いている成果です。

 

気づいたら4桁の足し算を解いていた

ある日、

妻が勝手に新しいテキストブックを
買ってきました。

小学3年生レベルの
算数の問題集。

例えば、

1280+951。

みたいな、4桁の足し算。

「え、これやらせるの?」

僕は正直びっくりしました。

でも、

僕ら夫婦の中では
こんな共通認識がありました。

「ソフィアは数学が
一番得意なんだから、
数学だけはどんどん伸ばそう。

ロシア語や英語は
みんなと同じレベルでいい」

妻がソフィアに
テキストを渡して、
やり方を教えた。

ソフィアも自分が数学が得意だと
わかっているから、

4桁の数字を見ても
怖がらなかった。

「結局、1桁の足し算が
4つ並んでるだけだよね」

仕組みを理解した瞬間から、
普通に解き始めた。

その数日後に僕が

「ねえソフィア、わかるの?これ」

と聞いたら、

「全然わかるよ」

と、またあのすまし顔

保育園の年長、6歳。

小学3年生の問題を
普通に解いている。

しかも、

もうそこに
お金という要素はない。

 

Robloxで「バーゲンセール」を楽しむ6歳

ソフィアの変化は
勉強だけじゃありません。

Roblox内での
お金の使い方
劇的に変わりました。

以前はこうでした。

400コイン(約800円)を
課金してあげると、

350コインの高いアイテムを
一発で購入。

残り50コイン。

そして数分後、

「パパ、これ欲しいんだけど
100コインいるの……」

当然、買えない。

でも、

当時は引き算の意味が
ちゃんとわかっていなかったから、

なぜ買えないかも
ピンと来ていなかった。

今は違います。

4桁の計算ができるから、

400−350=50しか残らない
ことが感覚的にわかる。

そして気づいた。

高いからといって、
良いものとは限らない。

ある日、

ソフィアが興奮気味に
僕の部屋に来ました。

「パパ見て!
これ、たった5コインで買えるよ!」

アバターの髪飾り。

5コイン。

似たようなものが
50コインや100コインで
売られている中で、

5コインで手に入る掘り出し物
見つけたんです。

それからは、

バーゲンセールを
楽しむかのように、

5コイン、10コインの
アイテムを次々と買い集めている。

髪飾り、靴、手袋、
帽子、メガネ、表情。

「こんなにいっぱい買えた!」

嬉しそうにアバターを
着せ替えている姿を見て、
僕は思いました。

これ、

ファストファッションと
同じだな、と。

400コインの予算で、
350コインのブランド品を1個買うか。

5コインのアイテムで
全身フルコーディネートを
楽しむか。

ユニクロで全身揃えて
いろんな組み合わせを楽しむか、

ヴィトンのバッグ1個で
一瞬で予算が消えるか。

どっちが「正解」とかではない。

でも、6歳の子が
自分の予算の中で
計画的に楽しむ方法
見つけている。

以前は1日で
使い切っていた課金が、

今は2日目、3日目、
4日目くらいまで持つように
なりました。

 

パパの小銭が、消える

お金に関して、
もう一つ面白い変化があります。

うちは娘2人に
それぞれ貯金箱を渡しています。

僕は現金払いした後に
ポケットの小銭を、

自分の部屋のデスクや
カウンターの上にポンと出す。

男性なら
よくある行動だと思います。

で、気づいたら、
消えてるんですよ。

ソフィアに聞くと、

「お金?私の貯金箱に
ちゃりんちゃりん♪」

アマヤ(3歳)と2人で、
せっせと貯金箱に入れていた。

悪気はゼロ。

ただ、

「入れる」という行為が
楽しい
らしい。

お金が貯まっていくと
何か買えるんだ、

ということは
ソフィアはもう理解している。

でもそれは、

「勉強したからもらうお金」

ではなくて、
自分で見つけて、
自分で貯めるお金。

勉強は勉強の面白さで回っている。
お金はお金の楽しさで回っている。

前回の記事で、

「勉強=労働→対価→課金」

という一つの回路として
設計した仕組みが、

1ヶ月半で
それぞれ独立した興味として
分離しました。

これが「成功」と
呼べるのかどうか、

正直まだわかりません。

でも少なくとも今、
ソフィアの目の色は変わった。

2分の数字を
すまし顔で見せに来る
あの瞬間に、

お金の影はもうない。

あるのは、

「私はこれができるのよ」

という、

6歳なりの静かな自信だけです。

 

 

追伸:
この話の裏側——
秋葉原で見た、

「給料日に全額使う大人たち」

と、僕自身の無駄遣い人生。

そして将来ソフィアに
どう教えるかの話。
メンバー限定記事はこちら

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