森翔吾です。
前回、前々回と
ドバイの安全神話の崩壊、
そしてなぜドバイ「だけ」が
集中攻撃されたのかを書きました。
UPした直後、
Googleで上位表示され
一日で1万人以上のアクセスがあり
正直、ビックリしました。


今回はドバイで、
・不動産投資を考えている人
に向けて、
経験者の僕らの意見を書きます。
というのも、
「ドバイの不動産、
今買って大丈夫なんでしょうか?
暴落しないんでしょうか?」
こんな問い合わせが多いので。
同じことを考えている人が
絶対にいるだろうと思い、
文章にまとめることにしました。
ドバイでビジネスをしている人が
言わないこと、
言えないことも含めて。
現地の不動産業界の本音
僕の妻はドバイに10年いました。
ロシア人ということもあり、
最初は住み込みの
ホテルのバイトで
月5万円からスタート。
その後イラン系の石油会社に勤め、
最終的に、
ドバイの不動産関係の仕事で
年収1000万円レベルを
超えるところまでいきました。
不動産業界自体は3〜4年ほどですが、
トータル10年間
ドバイにいた人間です。

今もドバイで
不動産関係の仕事をしている
妻の元同僚がいます。
「今、ドバイの状況はどうなの」
と聞いてみました。
返ってきた答えは、
「かなり不安だね。でも、これは表では絶対に言えないけどね」
と。
これ、この人だけじゃないです。
業界の中にいる人たちは
みんな不安を抱えています。
でも表では言えない。
言ったら自分の仕事が
なくなるからです。
正直なところ、
妻もドバイにいた頃から
感じていたことがあります。
ドバイ不動産が
売れすぎていると。
だから妻は、
所得税が0%で稼いだお金が
そのまま手元に残るドバイで、
しっかりと資金を貯めました。
しかし、
そのお金で
ドバイの不動産は全く買わず、
母国であるロシアに
不動産を買う選択をしたのです。
データを見れば分かりますが、
ドバイの不動産取引の
約7割は「オフプラン」——
つまり、
まだ建ってすらいない建物です。
建てる立地は決まっていても、
そこはまだ更地だったり、
建設の途中だったりします。
つまり、カタログを見て
「完成後のイメージを買う」
ということです。
ディベロッパーの大きなメリット——
それは、
完成していない物件を売って、
そのお金で次の建設を回す。
でも、
何かの拍子に
この流れが止まったら
相当やばいんじゃないか——
こういう話は、
業界内では普通にされています。

僕の立場について
アクセスが急に増えたので
はじめて来てくれた方も
いると思いますが、
僕はドバイに法人を
持っていましたが、
約1ヶ月前に閉鎖しました。
妻がドバイに10年いたので、
業界の内情はそれなりに
知っています。
さらに妻は
イラン系の石油会社にも
勤務していたことがあり、
イラン人の知り合いとも
最近直接話をしています。
そして現在、
僕らは子どもたちと
戦争中のロシアに
住んでいます。
カザンという地方都市です。

子供を保育園に通わせながら、
日常生活を送っています。
そのため、
日本にいる人よりも、
おそらく
「有事の中で暮らす」
ということに対する
肌感覚は持っていると思います。
そして不動産についても
少しだけ触れておきます。
僕ら夫婦は実際に、
ドバイに買うか、
妻の母国であるロシアに買うかを
比較検討しました。
結果、モスクワに購入しました。
それ以外にもロシア国内で
物件を買い、リペアして売る
——いわゆるフリップを
10回ほど経験しています。
自己資金だけで
累計数億円を動かしてきました。
不動産の「買い時」だけでなく、
「買わない判断」も含めて、
身銭を切ってきた前提で
この記事を書いています。
そんな僕らですが、
実はドバイへの移住を
検討していました。
というのも、
ロシアの地方都市では
妻の給料は月給10万円程度。
しかも決して楽じゃない。
ドバイへ行って経験を活かせば、
5倍くらいはもらえます。
そんな感じで
どうしようかと迷っていました。
でも今回の
イラン攻撃を受けて、
やめました。
なんでドバイを検討していたかと言えば、
1に給料が高い仕事がある、
2に開放的なビーチなどの生活環境。
3に安全。
でも一番優先すべきことは
「安全」でした。
それが崩れた以上、
行く理由がなくなりました。
戦争中の国の日常は普通に回る
今、ドバイ関連のSNSを見ると、
一斉に「安全です」
「日常は普通です」
という動画が出ています。
スーパーに在庫があります。
ブルジュ・ハリファの噴水がきれい。
プロジェクションマッピングも
やってます、と。
これは嘘じゃないと思います。
でも、
それは当たり前のことなんです。
僕は現在ロシアに住んでおり、
たまにドローンが飛んできたり、
ミサイルの警報アラートが
鳴る環境にいるからこそ、
その感覚がよく分かります。
例えば、
僕が住んでいるカザンでも、
子供は普通に保育園に通っているし、
スーパーに行けば何でも買えます。
つい先日訪れたモスクワは
なおさらです。
人口1000万人の大都市で、
街を歩けば活気に溢れています。
戦争なんて感じません。

戦争中の国でも日常は回る。
これは、
戦時下の国に住んでいれば
誰でも知っていることです。
ただし、
イランのテヘランにいたら
話は別かもしれません。
ミナーブの女子学校が爆撃されて
160人以上が亡くなったと
報じられています。
あれは「安全か危険か」が
文字通り命に関わる状況です。
ドバイはそのレベルではありません。
だからこそ、ただ単に、
「今、安全か危険か」
だけを議論しても
あまり意味がありません。
ビジネスとしての将来性——
この街に不動産投資をしていいのか——
に注目しないといけないのは
間違いないかと思います。
ドバイ在住の関係者が言えないリスクの正体
ドバイで不動産を売っている人、
法人設立のサポートをしている人——
こういう人たちには、
構造的に言えないことがあります。
不動産仲介の人が
リスクを正直に全部話したら、
売上が止まります。
法人設立サービスの人が
「今はやめた方がいいかもしれません」
と言ったら、
顧客が他の国に流れます。
ドバイ在住のインフルエンサーが
ドバイの将来に疑問を投げかけたら、
自分の存在価値が揺らぎます。
さらにUAEでは、
虚偽情報や噂の拡散に
厳しい罰則があり、
今回のイランとの紛争激化を受けて、
改めてUAE検察庁から
警告メッセージが発せられました。
イラン紛争に関する
未確認情報を発信した場合、
サイバー犯罪法に基づき
最高77,000ドル
(約1,100万円)の罰金、
または禁錮刑が警告されています。
自分で動画を撮らなくても、
誰かの投稿を「再共有」しただけで
処罰の対象になる可能性があります。
ここで多くの日本人が
勘違いしている、
恐ろしい事実を言います。
UAEのサイバー犯罪法では、
嘘の噂だけでなく、
たとえそれが
「本物のミサイルや爆発の映像」
といった100%の真実であったとしても、
罰せられます。
「その情報が真実かどうか」ではなく、
「その情報がドバイの
『安全な都市』というブランドを
傷つけるかどうか」が、
犯罪の基準になっているからです。
過去の実例として、
2022年にアブダビが
ミサイル攻撃を受けた際、
迎撃される本物の映像を
スマホで撮影してSNSに投稿した
複数の住民が、
検察に呼び出され
処罰されています。
そして今回、イギリスの高級紙
『The Telegraph』などは、
こう報じています。
ドバイのインフルエンサーたちは、イランのドローン攻撃の【真実の規模】を明らかにしただけで、最大5年の禁錮刑と数千万円の罰金に直面し、震え上がっている。
と。
実際、
数百万人のフォロワーを持つ
インフルエンサーが、
ミサイル破片の動画を慌てて削除し、
「ドバイ当局は確実に情報を
コントロールしようとしている」
と匿名で語ったと報じられています。
これらはイギリスの
メディアだけでなく、
アメリカの経済紙の最高峰である
ウォール・ストリート・ジャーナル
WSJも明確に警告しています。
WSJは、
ドバイ警察は「公式発表と矛盾するコンテンツ」を配信した者を投獄すると脅している。これは「安全な国」というイメージが崩れるのを防ぐための、徹底した情報隠蔽だ。
と報じました。
「公式発表と矛盾する」
というのがミソで、
つまり、
「公式が被害なしと言ったら、
目の前でビルが燃えていても
被害なしと言わないと逮捕される」
という異常事態です。
これは感覚の話ではなく、
数字にも表れています。
国際ジャーナリスト組織
「国境なき記者団」が毎年発表する
報道の自由度ランキング(2025年)。
UAEは180カ国中164位。
最下位から数えて17番目です。
すぐ下には、
キューバ、ベラルーシ、
ミャンマー軍事政権、
そしてロシアが並んでいます。
ちなみに日本は66位。
つまりUAEは、
「世界で最もビジネスフレンドリーな国」
を名乗りながら、
報道の自由は
独裁国家と同じ層にいる。
これが、
インフルエンサーが
本当のことを言えない国の
正体です。
コロナ禍の時を思い出してください。
あの時も全く
同じことが起きていました。
UAEは、
「感染者はコントロールされている」
と世界にアピールしていましたが、
現場の悲惨な「真実」をSNSで発信した
現地の住民やメディア関係者たちが、
次々とこの法律で逮捕・拘束されました。
病気(コロナ)であれ、ミサイルであれ、
国にとって都合の悪い事実は、
すべて法律と警察の力で
「無かったこと」にする。
これはかなりやばいですよね。
「うちは世界一安全な国だ!」
と主張するために、
「危険な真実」を映した人間を
法律で脅して片っ端から逮捕していく。
これのどこが「安全な国」
なのでしょうか?
とはいえ、
これらは僕の妻をはじめ、
ドバイで出稼ぎを経験した
ことがある人なら
完全に周知のこと(裏の顔)ですが。
今回のイランの件で、
そのやばい事実が、
ついに世界中の表に出てきた感じです。
完全に情報統制している国、
それがUAEでありドバイなんです。
だからこそ、
現地の人が本音を
発信しづらい構造があります。
今SNSで出回っている
「ドバイの防空システムは
完璧で超安全!」
という称賛動画の裏には、
そう言わないと捕まるか
強制送還されるという
強い自主規制が働いているのです。
動画を出している
様々な国のYouTuber自身も、
それを認めている人もいます。
つまり、
皆さんが今ネットで見ている
ドバイの情報は、
リスクの部分が
ごっそり抜け落ちている
可能性が高いということです。
楽観的な将来予測が多いのは、
楽観的じゃないと
自分のビジネスが
成り立たないからです。
ですが、
やっぱりリスクは
知っておいた方がいい。
だからここでは、
彼らが言えない部分を書きます。
①イラン攻撃前から危険だった——ドバイ不動産、暴落の構造的リスク
感情論ではなく、
数字で見ていきます。
あくまでもリスクの部分を並べます。
ミサイルが来る前から、
ドバイの不動産市場は
暴落してもおかしくない
構造的に危ない状態でした。
2022年から2025年にかけて、
価格は約60%上昇しています。
取引件数は2025年で21.5万件、
金額にして約1,870億ドル。
過去最高です。
問題は中身です。
先ほども言いましたが、
取引の約70%がオフプラン——
まだ建っていない建物への投資です。
2026年の新規供給予定は
約12万戸。
通常の年の2倍です。
2028年までに
約30万戸が市場に出てきます。

フィッチ
(世界三大格付け機関の一つ)は
攻撃が起きる前の時点で、
最大15%の価格下落を
予測していました。
ミサイルとは関係なく、
供給過多だけで調整が来る
と見ていたということです。
あくまでも予測なので
当たるかどうかは分かりません。
ただ、
こういうリスクがあるよ
ということは業界の中では知られていて、
「ちょっと売りすぎなんじゃないか」
と言っている人は結構います。
そこにミサイルが来ました。
②セールストークが使えなくなった
妻はドバイで
不動産の仕事をしていたから
分かります。
海外から来た人たちに
物件を売る時、
いろんなことを言います。
ラグジュアリーな生活、
綺麗な海、新しい街。
でもダントツで効くのは、
「治安がいいですよ」
でした。

妻の元同僚に聞いても
「そうだよね」と言います。
絶対にこれだけは言う、と。
実際、僕も思いました。
日本より治安がいいなって。
でも、
この「治安がいい」は、
不動産を買う投資家だけに
効いていたわけじゃないんです。
ドバイという街そのものを
支えている人たち——
つまり、
そこで働いている
出稼ぎの人たちにとっても、
ドバイを選ぶ最大の理由でした。
考えてみてください。
インドやパキスタン、
エジプト、アフリカ、
フィリピンから来た人たちにとって、
自国では月給数万円が
いいところです。
僕の妻もロシアでは
月給10万円がいいとこです。
それがドバイでは
年収1000万円が可能だった。
治安が良くて、
綺麗で、
きらびやかで、
稼げる。
これはみんなドバイを選びますよね。
妻もしょっちゅう
言っていました。
「やっぱりドバイに戻ろうかな、お金が稼げるから」
それがイランの攻撃があってから、
初めて
「もうあそこはダメだ」
と口にしました。
一気にトーンダウンどころか、
移住の話自体がなくなりました。
10年ドバイにいた人間が
そう言ったんです。
パーム・ジュメイラに直撃。
ブルジュ・アル・アラブが
迎撃ミサイルの破片で被害。
フェアモント・ザ・パームが炎上。
ドバイ国際空港が閉鎖。
ブルジュ・ハリファから予防的避難。
40年かけて作り上げた
「世界で最も安全な投資先」
というブランドに、
ミサイルが直撃しました。
僕だけが
言っているわけではありません。
ニューヨーク・タイムズは
こう報じました。
「Iran’s Attacks on Persian Gulf Countries
Crack Their Safe Haven Image」
(イランの攻撃がペルシャ湾岸諸国の
安全な避難先イメージを打ち砕いた)
イギリスのガーディアン紙も。
「The image of safety has been shattered」
(安全のイメージは粉々になった)
ロイター通信も。
「Dubai’s safe-haven status
is being put to the test」
(ドバイの安全な避難先としての地位が
試されている)
世界の主要メディアが
揃って同じことを言っている。
それだけ
「ドバイ=安全」という
ブランドは重要だったし、
それが崩れたインパクトは
それだけ大きいということです。
もちろん、
大手メディアの情報を
すべて鵜呑みにしていいかは
分かりません。
でも、
これは僕の妻をはじめ、
現地の業界にいる人たちが
語る肌感覚と完全に一致しており、
非常に信憑性が高いと言えます。
③資金が逃げる
2025年、
ドバイの不動産を買っていたのは、
インドの投資家(約22%)、
イギリス(17%)、
中国(14%)、
ロシアの富裕層(約9〜12%)です。
ちなみに、
公式のランキングに
イスラエル人の名前は
出てきません。
でも、
アブラハム合意(2020年)以降、
イスラエルからの投資が
急増していたのは
業界では周知の事実です。
ドバイの不動産会社が
ヘブライ語話者を
採用し始め、
テルアビブの不動産価格は
ドバイの約2倍なので
「安くて税金ゼロ」の
ドバイは魅力的でした。
僕らも実はイスラエルには
3回ずつ行っています。
そして妻の実家のお向かいさん——
幼馴染のナターシャが、
イスラエルのハイファ
という街に住んでいて、
イスラエル人と結婚して
イスラエルパスポートを
持っています。
僕らの長女ソフィアと同い年の
6歳の息子がいるのですが
この前、
オンライン通話中に
イランからミサイル警報が鳴り
地下室に逃げ込んでいました。
そんな彼女の生活を
近くで見ているから、
イスラエルの物価が
どれだけ高いかは
肌で分かっています。
体感的には、
ニューヨークやロンドンと
同じくらい高い。
なので、
イスラエル人がドバイに
どんどん流れ込むのは、
めちゃくちゃ分かります。
公式データに
イスラエル人が出てこない理由は——
まあ、考えてみてください。
UAEはアラブの国です。
ちなみに、
世界テロリズム指数
(Global Terrorism Index)
というデータがあります。
UAEのスコアは
2023年の0.23から
2024年には1.18へ。
約5倍に跳ね上がりました。
アブラハム合意で
イスラエル人を受け入れてから、
テロの脅威レベルが
桁違いに上がったということです。
米国務省の
海外安全評議会(OSAC)も
公式レポートにこう書いています。
「2020年9月のイスラエルとの国交正常化は、イラン支援組織を含むUAEにおける攻撃の可能性を高めた」
イスラエルの
国家安全保障会議(NSC)も、
UAE渡航警戒を
レベル3(非必須渡航禁止)に
引き上げ。
イギリス政府も
「テロリストが攻撃を試みる可能性は
非常に高い(very likely)」
と渡航警告を出しています。
それくらい、
アブラハム合意で
イスラエル人を受け入れたことは
水と油を混ぜる行為だった。
だからこそ
極力この事実を隠したい。
それは現地でも感じました。
イスラエルにも何回も行き、
UAEにも何回も渡航している
身としては、
両方の国の空気感の違いは
肌で分かります。
こうした水面下の緊張感や
テロリスクの高まりに、
最も敏感に反応するのは
お金を持った人たちです。
なぜなら、
富裕層というのは、
金があるからこそ
ドバイにこだわる必要がないんです。
シンガポール、
スイス、
ポルトガル、
どこでも行けます。
ドバイの魅力は
「安全+税制+立地」の
パッケージでしたが、
そのうち
「安全」と「立地」が
同時に崩れました。
④ロシアマネーの行き先が変わった
ドバイの不動産購入者の
約9〜12%はロシア人です。
2022年にウクライナとの紛争が
始まった時、
数十万人規模のロシア人が
ドバイに流入したとされ、
推定で63億ドル(約1兆円)の
不動産を買いました。
でも実は、
このロシアマネーの流れは
2024年後半から
変わり始めていました。
ルーブル安、
制裁による送金の困難、
そして「投資したかった人は
もう全員した」という飽和。
ロシア人の資産家たちは
タイやバリに移動し始めていて、
プーケットではコンド所有者の
40%がロシア人になっています。

僕の妻がドバイに10年いたので、
ロシア人コミュニティの動きは
よく分かります。
先月、タイに行った時にも
実際、
バンコクやプーケットで、
「ドバイから引っ越してきた」
「これから引っ越す」
というロシア人に会っています。
さらに、
妻にロシア語のネットを
見てもらっても、
掲示板やSNSでは明らかに
ドバイからタイ・バリ方面に
動こうとしている人が増えています。
このトレンドは
2024年からすでに始まっていましたが、
イランの攻撃で
一気に加速すると思います。
理由は物理的に単純です。
ロシアからドバイに行こうとすると、
本来ならモスクワから一直線——
ウクライナとの国境沿いを南下し、
ジョージア、イランを抜けてドバイ。
これが通常のルートでした。
5時間程度のフライトです。
でも今はそのルートは通れません。
ウクライナ上空は
2022年から閉鎖。
イラン上空も閉鎖。
さらにヨーロッパ上空は
ロシア機の飛行が
制裁で禁止されているので、
西から迂回することもできません。
残るルートは、
南ロシアからトルコを抜けて
地中海経由か、
中央アジアを大迂回するしかなく、
通常5時間のフライトが
約7時間かかります。
一方、
バンコクやプーケットへは
モスクワから東に真っ直ぐ飛ぶだけ。
ロシア上空から
カザフスタン、中国の上空を通って
ミャンマー方面からタイに入る。
直行便で約9時間。

紛争地域を一切通りません。
地方都市からも
チャーター便が出ています。
7時間かけて迂回して
ミサイルが飛んでくる街に行くか、
9時間でタイのビーチに行くか。
答えは明白ですよね。
しかもタイの方が生活費は安いし、
不動産も半額程度で買えます。
実は、
ロシア語のビジネスメディアでは
イラン攻撃の前からすでに
こんな記事が出ていました。
「ドバイ不動産2026:なぜ投資家が緊急で東南アジアに逃げているのか」
これは日本語では
検索しても出てこない情報です。
ロシアマネーのパイプラインは、
今回の攻撃で事実上止まったと
見ていいと思います。
⑤袋小路だとバレた
ドバイの空港が閉鎖された時
多くの人が気づいたはずです。
ドバイは袋小路だと。

東側は海とオマーン。
そのオマーンも攻撃を受けています。
西はサウジアラビアの砂漠。
空港が止まったら、逃げられない。
実際に起きたことを
見てください。
ドバイ国際空港は
約1週間の閉鎖を経て、
3月7日にようやく
限定的に再開しましたが、
最初に飛んだエミレーツの
A380はわずか5機。
最新の状況を見ても、
一部の便が再開したとはいえ、
大幅な減便が続いていると
報じられています。
ロイターなどの報道によると、
地域全体で1万便以上が運航停止となり、
数万人規模の旅行者が
空港や市内で足止めを食らう
大混乱となりました。
これは不動産の価値にとって
致命的です。
「いざという時に出られない場所」に、
わざわざ資産を置く理由がない。
しかも問題は、
これは
「一度空港が止まって終わり」の
話ではないかもしれない、
ということです。
⑥本当に怖いのは「直撃」より「迎撃弾切れ」
今回の件で、
僕がかなり不気味だと
思ったのは、
イランがUAEに向けて
飛ばしているドローンの中身です。
少なくとも
表に出ている範囲では、
主力になっているのは
プロペラ式の旧型
Shahed-136系に見えます。
Shahed-136は、
いわば
「安くて遅い使い捨て兵器」
です。
報道ベースでは、
速度:時速185km前後、
航続距離:約2,000〜2,500km、
価格:2万〜5万ドル程度
とされています。
一方で、
イランにはもっと
新しい選択肢があります。
Shahed-238です。
こちらはジェットエンジンを
積んだ新型で、
報道ベースでは、
時速500〜600km級、
射程は約1,200km。
さらに、
対レーダー型まで
存在するとされています。

要するに、
スピードがまるで違う。
旧型とは兵器としての性格が
ほぼ別物です。
なのに、
いま表に見えている
攻撃の中心が、
あえて旧型の大量投入に
偏っている。
これはかなり不自然です。
もし本当にイラン側が
パニックで後がないなら、
むしろ最初から
「より良いカード」を
切っていてもおかしくない。
だからこそ、
これは単に
古い兵器しか使えないのではなく、
高価な迎撃弾を
先に使わせるための消耗戦
ではないか、
という見方が出てきます。
実際、
この価格差は異常です。
これはロシアと
ウクライナの戦争でも
同じことが言えますが、
数万ドル級のShahed-136
に対して、
迎撃する側は
数百万ドル級の迎撃ミサイルを
撃たなければならない。
しかも1発で確実に落とせるとは
限らないので、
複数発を使うこともあります。
つまり、
ドローンを撃っている側より、
落としている側のほうが
先に疲弊する構造なんです。
しかも迎撃弾は
無限ではありません。
米国はパトリオットPAC-3の
生産能力を今後大きく
引き上げる計画を
打ち出していますが、
補充は一瞬では追いつきません。
CNNは、
開戦4日目の時点で、
少なくとも1つの湾岸同盟国が
すでに迎撃弾不足に
直面していると報じています。
ここがいちばん怖いところです。
今回の戦争は、
どこに何発落ちたかだけを
見ていると本質を見誤ります。
本当に見るべきなのは、
安い旧型ドローンの生産速度と、
高価な迎撃弾の補充速度の
どちらが勝つのか、です。
そして、
もし旧型で迎撃弾を削ったあとに、
温存していた高速型や
弾道ミサイルへ
切り替えてくるなら、
話はまったく変わります。
だから僕は、
今回のドバイのリスクを
「今すぐ全面崩壊するかどうか」
ではなく、
長期の消耗戦に入るのかどうかで
見た方がいいと思っています。
⑦フーシ派という爆弾
多くの人がイラン本体ばかりに
注目していますが、
もうひとつ、
忘れてはいけない存在がいます。
フーシ派です。
ドバイから見て
イランと反対側、裏側にある、
イエメンを拠点とする
イラン支援の武装組織。
「名前は聞いたことあるけど
ドバイと何の関係が?」
と思うかもしれませんが、
UAE自体はすでに攻撃されています。

2022年1月17日。
フーシ派はUAEのアブダビに
弾道ミサイルとドローンを
撃ち込みました。
標的は、
アブダビ国営石油会社(ADNOC)の
ムサファ燃料施設と、
アブダビ国際空港。
燃料タンクが爆発し、
3人が死亡、6人が負傷しました。
1週間後の1月24日には
再びアブダビに弾道ミサイル2発。
今度の標的は、
米軍2,000人が駐留する
アルダフラ空軍基地でした。
そして、
つい数日前の2026年3月2日——
このムサファ燃料施設が
再びドローン攻撃を受けました。
2022年と全く同じ標的です。
今回は死者こそ出ませんでしたが、
火災が発生しています。
今回の攻撃はフーシ派ではなく、
イランによる報復の一部
と見られています。
しかし、
これが何を意味するか。
UAEの重要インフラは、
イラン本体からも、
イエメンのフーシ派からも、
常に狙われる「共通の標的」に
なっているということです。
問題はフーシ派の能力です。
フーシ派が保有するミサイルの射程は
2,000km以上。
ドローンは最大2,500kmです。
そして、
イエメンからドバイまでの距離は
約1,600km。
完全に射程圏内です。
2024年7月にはイエメンから
イスラエルのテルアビブまで
自爆ドローンを飛ばしていますが、
距離にして約2,000km。
ドバイの方がずっと近いんです。
さらに2024年9月、
フーシ派はPalestine 2という
極超音速弾道ミサイルを初めて
実戦使用し、その映像を公開。
射程は2,100km以上とされています。
ここで一つ、
多くの人が見落としている
事実があります。
イランのミサイルは
「100%メイド・イン・イラン」
ではありません。
正確に言えば、
組み立てはイラン国内ですが、
固体燃料ミサイルの心臓部である
推進剤——
過塩素酸アンモニウム(AP)
という酸化剤は、
中国から大量に輸入しています。
2025年の報道によると、
イランは中国のサプライヤーから
約2,000トンの過塩素酸ナトリウム
(APの前駆体)を輸入しました。
これは短・中距離の
固体燃料ミサイルを
最大800発製造できる量です。
香港のペーパーカンパニーを経由し、
イラン南部の
バンダル・アッバース港に
陸揚げされていたことが、
欧米の情報機関と
船舶データから
明らかになっています。
アメリカはこの供給網に
制裁をかけ続けていますが、
中国側は
「工業用材料であり関知していない」
と否定。
制裁をかいくぐる「影の物流網」は
完全には止まっていないのが
現状です。
つまり、
イランのミサイル在庫が
半年で尽きるかどうかは、
この中国からの
供給パイプラインが
本当に止まるかどうかに
かかっている。
そしてアメリカが
ホルムズ海峡を封鎖しても、
陸路(中央アジア経由)での
密輸ルートまで完全に断てるかは
極めて不透明です。
さらに言えば、
仮にイランのミサイル在庫が
半年で尽きたとしても、
フーシ派は別の供給ラインを
持っているということです。
イランから部品を受け取り、
イエメン国内で組み立てている。
イラン本土の工場が潰れても、
フーシ派の製造能力は
すぐにはなくならない。
そして何より——
イランが前例を作ってしまった。
2026年2月28日まで、
「国家がドバイを直接攻撃する」
というのは起きていなかった。
イランがそれをやった。
フーシ派にとっては
「じゃあ俺たちも」という
ハードルが一気に下がりました。
イランのミサイルが尽きても、
フーシ派のドローンは飛んでくる。
「半年後に安全になった」
とは限らない理由が
ここにあります。
さらに言えば、
大元であるイラン自体も仮に今回
アメリカ側が完全に制圧したとしても、
安心はできません。
イランの歴史を
調べてみて分かったことですが、
イランという国は歴史的に、
降伏してから
ひっくり返す国です。
占領された後に革命を起こして、
裏切り者だと言って報復する。
そういうことを
繰り返してきた国なんです。
しかも今回は、
最高指導者が殺害されたという
深い恨みが加わっています。
仮に表面上は紛争が
終結したように見えても、
「またいつか来るんじゃないか」
という不安は、この地域に
ずっと残り続けるでしょう。
⑧ディルハムのドルペッグという地雷
ドバイで法人を作る人、
不動産を買う人が
あまり意識していないリスクが
もうひとつあります。
通貨です。
UAEの通貨ディルハム(AED)は
1997年から、
1ドル=3.6725ディルハムで
米ドルに固定されています。
いわゆる「ドルペッグ」。
これが何を意味するか。
ドバイで不動産を買うと、
実質的にドル建て資産を持つのと
同じ安心感がある。
為替リスクを気にしなくていい。
これがドバイの大きな魅力の
ひとつでした。
「でした」です。
ドルペッグを維持するには、
膨大なドル準備金が必要です。
そのドルはどこから来るか。
石油です。
UAE(主にアブダビ)の
石油輸出で稼いだドルが、
ディルハムの信用を支えている。
その石油は
どこを通って世界に出るか。
ホルムズ海峡です。
世界の原油輸送の約20%が
この海峡を通過しています。
UAEには一部を迂回する
パイプラインもありますが、
結局のところ、
この海峡が封鎖されれば
中東の石油経済全体が麻痺します。
今、何が起きているか。
2026年2月28日の
イラン攻撃開始以降、
調査会社Kplerのデータによると
ホルムズ海峡のタンカー通過量は
92%減少しました。
イラン革命防衛隊の准将は
「海峡を通過しようとする船は
すべて標的になり得る」
と警告しています。
Maersk、Hapag-Lloyd、
CMA CGM、MSC——
世界の大手海運会社は
軒並み運航を停止。
海上保険会社も
この海域の保険引き受けを
拒否し始めています。
つまり、こういうことです。
・ホルムズ海峡が止まる
・中東から石油が輸出できない
・十分なドルが入ってこない
・ドルペッグを支える準備金が減る
これが長期化すれば、
ディルハムのドルペッグ自体が
維持できなくなるリスク
が出てくる。
Stimson Centerのレポートは、
ホルムズ海峡の持続的な混乱は
燃料・輸送コストを押し上げ、
金融環境を引き締めると
警告しています。
投資家はすでに
ゴールド、日本円、スイスフランに
資金を移し始めている。
ディルハムではなく。
ドバイで不動産を買うということは、
ディルハム建ての資産を持つということ。
ディルハムがドルに連動している限り、
それは実質ドル資産。
でも、
その連動が
永遠に保証されているわけではない。
ドバイの不動産が
ドル建て資産のように見えて、
実はホルムズ海峡の安全保障に
深く依存している。
もちろん、
これが起こる可能性は
かなり低いかもしれません。
ですが、
この構造を理解していない人が
あまりにも多い。
⑨誰も言わない不動産下落の本当の原因——旅行者パイプラインの崩壊
ここまで書いてきたリスクは、
探せば英語のメディアにも
断片的に出ています。
でも、
誰も言っていないことが
もうひとつあります。
ドバイの不動産市場を
根っこから支えている
「見えないエンジン」の話です。
ドバイをよく知っている
僕らですら、毎回思います。
実際にドバイで過ごすと、
「良いね、快適だね。
ここに不動産買おうか?」
って。
僕ら夫婦は結局、
モスクワにマンションを
購入しましたが。
実際にドバイに買えるお金が
あった上での話です。
ドバイに何回も行ってるし、
妻は10年住んでいた。
裏も表も知っている。
それでも、
実際に滞在すると
毎回思うんです。
「やっぱドバイいいよね」って。
綺麗だし、
安全だし、
なんでも揃ってるし、
ちょっと高いけど快適だし。
散歩して、
モールに行って、
ショールームが目に入って、
「別荘代わりに一つ持っとく?」
みたいな気分になる。
これ、
僕らだけじゃないはずです。
データがそれを証明しています。
2025年の上半期だけで、
ドバイの不動産市場に
59,075人の
「新規投資家」が参入しました。
前年比+22%。
投資額は
1,570億ディルハム(約6.3兆円)。
前年比+40%です。
つまり、
毎月約1万人が
「初めてドバイの不動産を買う」
という決断をしていた。
この1万人は
どこから来ていたのか。
45%がUAE居住者です。
この人たちは最初から
不動産を買うために
ドバイに来たわけじゃない。
住んでみて、
過ごしてみて、
「いいな」と思って買った人たちです。
まさに僕らと
同じ心理です。
残りの55%は海外からの新規。
この人たちも、
多くは出張や旅行で
ドバイを訪れて、
「いい街だな」と感じて
購入に至っています。
さらに面白いデータがあります。
ドバイの不動産会社
Thrivestate社は、
「Fly Before You Buy」
(買う前に飛んでこい)
というプログラムを
正式に運営しています。
内容はこうです。
航空券を無料で提供、
5つ星ホテルに3泊無料、
物件をガイド付きで案内、
購入が決まったら旅費を精算。
100万ディルハム
(約4,000万円)以上の投資で
航空券を、
200万ディルハム
(約8,000万円)以上で
航空券+ホテル代を
全額キャッシュバック。
しかもこれは
この1社だけの話ではなく、
別の不動産会社も
「Fly to Buy UAE」という
同様のプログラムを
独自に展開しています。
つまり業界全体が、
「まず来させる」ことに
自腹を切っている。
それくらい、
「来て、見て、体験して、買う」
というパイプラインが
ドバイ不動産の生命線だということです。
業界自身が、
それを証明しています。
では、今何が起きているか。
そのパイプラインが
完全に断裂しています。
欧州の航空会社は
ほぼ全社がドバイ便を運休中です。
Cathay Pacificは3月末まで、
Virgin Atlanticは3月28日まで、
Lufthansa系は3月15日まで、
Finnairは3月29日まで、
Singapore Airlinesも停止中。
エティハドですら
1日10〜20便の限定運航です。
各国政府も
渡航警告を出しています。
イギリスは
「必要不可欠な渡航以外は控えよ」。
アメリカは
非緊急の職員に出国を許可。
ドイツのツアーオペレーターは
UAE向けツアーを全面中止。
つまり、
ヨーロッパの富裕層は
物理的にドバイに来られない。
来られない人は、
物件を見ない。
見ない人は、
「いいね」と思わない。
思わない人は、
買わない。
当たり前です。
しかもタイミングが最悪です。
ドバイの不動産が
最も売れるのは
10月〜4月。
特にQ1(1月〜3月)が
年間で一番取引が活発です。
2025年のQ1だけで
45,474件、
1,427億ディルハム。
過去10年以上で最高の
第1四半期でした。
なぜこの時期に売れるか。
気温が20〜25度で快適だから。
観光客が多いから。
散歩して、
ビーチに行って、
「ドバイいいね」ってなるから。
このピークシーズンの
真っ只中で、
ミサイルが飛んできました。
そして今から来るのは
真夏です。
5月から10月まで、
気温は40〜50度になります。
平時でも、
夏のドバイの不動産取引量は
30〜40%減少します。
暑すぎて誰も物件なんか
見に行かないからです。
富裕層も超富裕層も、
真夏のドバイには来ません。
45度になる砂漠の街に、
世界中どこでも好きなところに
行ける人が、
わざわざ来る理由がない。
つまり今後半年間、
「戦争リスク」+「猛暑」の
ダブルパンチで、
旅行者経由の不動産購入は
ほぼゼロになります。
では、
次のピークシーズンである
2026年の10月以降はどうか。
仮にその頃に
停戦していたとしても、
お金がある人は
もう別の計画を立てています。
モルディブ、
シンガポール、
モナコ、
バンコク——
選択肢はいくらでもある。
冬のバカンスの予約を
とっくに入れ終わっているでしょう。
ドバイは選択肢のリストにすら
入っていない可能性が高い。
そして、
5年後に誰かが
「ドバイに不動産を買おうかな」
とGoogleで検索したら、
2026年のミサイル映像が出てくる。
「あ、ここ前に攻撃されたんだ……
やっぱやめとこう」
インターネットは忘れません。
これが意味することは、
株価のように
リアルタイムで見える数字には
まだ出ていません。
ホテルの稼働率が落ちた、
株価が下がった、
それは今すぐ見える。
でも、
「本来ドバイに旅行に来て
不動産を衝動買いするはずだった人が
来なかった」
という機会損失は、
数字に出てきません。
半年後、1年後に、
「あれ、新規投資家の流入が
全然回復しない」
という形で、
不動産価格の下落として
初めて可視化されます。
時間差で表に出てくる
サイレントキラーです。
しかも、
子供連れの家族は
まず来ません。
僕なら絶対に
連れて行きません。
ミサイルが飛んでくる場所に
3歳と6歳の娘を連れて行く
親がいますか。
帰りの飛行機が飛ばなくなったら
どうするんですか。
旅行保険も
戦争リスクのサーチャージで
倍額になっている。
ミサイル被害は
免責条項に入れる保険会社まで
出てきている。
保険がカバーしない旅行に
子供を連れて行く親は
いません。
そしてファミリー層こそ、
「住みやすいね、
子供にもいい環境だね、
ここに家を買おうか」
となる層です。
その層が丸ごと
消えるということです。
もう一度言います。
ドバイの不動産業者は
「来させる」ことに
自腹を切るほど、
「来て、見て、買う」
というパイプラインに
依存していました。
そのパイプラインが
今、完全に止まっている。
しかも次に動き出すのは
早くても半年以上先。
この話を、
ドバイで不動産を売っている人は
絶対にしません。
自分の商売が
終わるからです。
ポジティブシナリオ:それでもドバイに賭けるなら

ここからは
ポジティブな話を書きます。
正直に言えば、
僕はこの可能性は
かなり薄いと思っていますが….
これは、
ドバイでビジネスをしている人が
すでに言っていることでもあるので、
本来あえて僕が書く
必要はないかもしれません。
でも判断材料として載せます。
過去の回復実績。
ドバイは2008年のドバイショックで
不動産価格が50%以上暴落しました。
2020年のコロナでもやられました。
どちらも
「もう終わった」と言われましたが、
復活しました。
そのたびに以前より
成長しています。
インフラ投資の継続。
ドバイは今、
350億ドル規模の
アル・マクトゥーム新空港の
拡張を進めています。
政府の長期投資の意欲が
衰えているわけではありません。
制度的な優位。
所得税ゼロ、
賃貸利回り5〜8%。
これはミサイルでは変わりません。
税制面の魅力は
制度として残っています。
買い場になる可能性。
価格が下がれば、
底値で拾うプレイヤーは
必ず現れます。
2008年のドバイショック後に
底値で買った投資家は、
その後10年で
数倍のリターンを得ています。
実際、
ドバイの不動産業者は今も
強気の姿勢を崩していません。
ある不動産メディアは、
「迎撃は成功した」
「24時間で正常化した」
「1月だけで1000万AED超の超高級物件が990戸売れた」
と主張しています。
しかし、
市場の反応は
別の物語を語っています。
ロイター通信によると、
大手デベロッパーの
EmaarやAldarの株価は5%下落。
債券価格も急落しました。
業者が言うことと、
市場が示していることの間に
ギャップがあるのは事実です。
ただし、
1つだけ言わせてください。
今回は前提が違います。
過去の危機——
2008年もコロナも——
ドバイ自体が攻撃された
わけではありませんでした。
今回は、
ドバイが40年かけて作り上げた
「安全な場所」という
ブランドそのものに
ミサイルが刺さっています。
過去と同じパターンで
回復する保証はありません。
そしてもうひとつ。
先ほど書いた通り、
ドバイの不動産は
「旅行者が来て、見て、買う」
というパイプラインに
深く依存していました。
2008年のドバイショックの時、
空港は閉まっていませんでした。
コロナの時も、
ドバイは他の国より早く
国境を開けたことで
逆に人を呼び込めました。
でも今回は、
空港が物理的に止まり、
航空会社が便を止め、
各国政府が「行くな」と言っている。
人の流入そのものが
遮断されている。
これは過去の危機には
なかった状況です。
いつ判断すべきか
では、
いつ頃になれば
判断できる材料が揃うのか。
僕が「半年待て」と
考える理由は、
単にイランのミサイル在庫を
見るためだけではありません。
安価なドローンの生産速度と、
高価な迎撃弾の補充速度の
どちらが勝つのか。
まずはその結果が見えてくるまで、
時間が必要です。
もし、先ほど書いた
迎撃弾の消耗戦が
数カ月続くようなら、
ドバイの不動産価格、
法人設立需要、
航空路線、
保険料、
物流コスト——
すべてに
じわじわ影響が出てくるはずです。
そしてもうひとつ、
半年後に見るべき数字があります。
新規投資家の流入数です。
先ほど書いた通り、
2025年上半期は
毎月1万人が
新規で参入していた。
この数字が半年後に
どうなっているか。
仮に停戦していたとしても、
新規投資家が
月1,000〜2,000人レベルまで
落ちていたら、
「旅行者パイプライン」は
まだ回復していない
ということです。
逆に、
数カ月以内に
明確な停戦と
防空の安定が確認できるなら、
今回のショックは
「一時的な混乱」だったと
判断できるかもしれません。
つまり、
半年後には、
ミサイルの有無だけでなく、
この街が本当に
平時へ戻れるのかが、
かなり見えてきているはずです。
ビジネスの観点で言えば、
この「半年後」が
一つの大きな判断の目安になるでしょう。
ただし、
先ほども触れた通り、
フーシ派のドローン製造能力は
イラン本土とは別系統です。
たとえイランのミサイル在庫が
ゼロになったとしても、
ドバイに対する脅威が
完全に消え去るとは限りません。
最後に
ここまで、
業者が言えないリスクと、
それでもポジティブに見える材料を
両方並べました。
リスクを全部理解した上で、
それでもドバイに賭けたいなら、
それは皆さんの判断です。
悪いことだとは
全然思いません。
僕自身、
ビジネスで数百万円の損失を
出したことがあります。
でもやめずに続けたら、
その数倍の利益を
生み出せた経験があります。
行動すること自体に
価値はあります。
ただ、
判断材料が偏っていたら、
正しい決断はできません。
「安全だ」と言う人にも
「危険だ」と言う人にも、
それぞれの経済的な
インセンティブがあります。
僕はドバイで
何も売っていません。
だからこそ、
両方の材料をフェアに
並べられたと思っています。
この情報がなにかの参考になれば
嬉しく思います。
それでは。
