起業は無理ゲーなのか?YouTubeコメント4.7万件を分析して見えた「生の声」と、12年目の僕の答え。

森翔吾です。

今日、なんとなくYouTubeを開いたら
「起業は無理ゲー」
「起業なんてするな」
みたいな動画が
いくつか流れてきました。

別にそういう動画を
探していたわけじゃなくて、
本当にたまたまです。

で、何本か見ているうちに
コメント欄で
こんな一文が目に留まりました。

「起業しましたが、会社員戻りたい。転職活動中です。」

・・・

ああ、僕にも
こういう時期があったなって。

僕は29歳で会社員を辞めて、
その1年後に起業しました。

そこから丸12年。

日本で個人事業から始めて、
会社を作って、
ドバイにも会社を作って。

あとはロシアでは
不動産投資したりも。

そうやってビジネスを
続けてきました。

12年たった今だからこそ、
つい、ぼーっと振り返ってしまったんです。

最初の1〜3年は
本当に大変だったなと。

じゃあ、ほかの人はどうなんだろう?

そう思ったんですが、
その動画のコメントは
数十件しかありませんでした。

ほかにも似たような動画の
コメント欄をいろいろ見てみたんですけど、
思ったようなコメントがなかったり、
そもそもコメントが少なかったりして。

いまいち、よく分からなかったんですよね。

そこで今回は、
同じテーマの動画を
AIに探してもらって、
コメントを全部ダウンロードし、
分析にかけてみました。

最終的に集まったのは、
再生50万回、コメント1,000件くらいの動画が
50本ほど。

コメントは合計で
47,360件になりました。

知りたかったのは、
「生の声」です。

余談ですが、
コメントを全部集める作業って
AIに直接頼むと遅いんです。

以前、AIにコメント集めを頼んだら、
1件ずつ読みながら拾っていくので
とにかく時間がかかりました。

しかもAIには
使える量に上限があるんですが、
それもみるみる減っていく。

既存のツールも探してみましたが、
僕が見つけたものは
毎月数十ドルかかる。

正直、結構高いです。

それならと、
AIに手伝ってもらって
自分でツールを作りました。

YouTubeの文字起こしとコメントを、
返信まで全部落とせるツールです。

プログラムを書くのは全部AI。

僕は動かしてみて、
「ここはちょっと違う」
「もっとこうしてほしい」
と注文を出す役です。

かかったのは2時間ほど、
費用は月に数百円です。

今回の4万7千件も、
データがそろうまで
10分かかっていません。

取得できるコメントは、
計算上は1日10万件ほど。

少なく見積もっても、
5万件は余裕で取れます。

その後もカスタマイズを繰り返して、
今では動画探しから
ダウンロード、分析まで、
AIが通しでやってくれるようになりました。

たとえば、
気になる動画を見つけたら、
スマホでスクリーンショットを撮って
AIのチャット欄に貼り、
音声入力でこう話すだけです。

「この動画を見て、ちょっと気になったんですよね。たぶん、みんな同じことで悩んでいる。似たような動画を、英語と日本語で50本リストアップして。いいねは千件以上、コメントは最低50件。多いものは1万件あってもOK。それで分析までやってください」

それだけで、
2時間後には
分析したデータがそろっています。

おかげで、
ブログやメルマガのネタにも
困らなくなりました。

クライアントさんにも
使ってもらっているんですが、
「すごい」と言ってくれて、
もう手放せないそうです。

とはいえ、
AIを使っても
分析まで完了するのは
2〜3時間かかります。

さらに、

何を知りたいかを決めて、
出てきた声を
12年の経験と重ねて読む。

そこはやっぱり、
自分の仕事です。

・・・

ちょっと話がそれたので、
本題に戻りますね。

 

目次

4万7千件のうち、自分の体験を語っていたのは1割


まず意外だったのは、
自分の起業や独立の体験を
書いている人が
思ったより少なかったことです。

ランダムに選んだ600件のコメントを
AIに読んでもらったところ、
体験を語っていたのは
1割ほどでした。

残りは、
動画への感想や応援、論評、
それに茶化しです。

(4万7千件の全体は、
プログラムで数えています。)

自分の年数まで書いていた人は、
全体で252人。

そのうち半分は
10年以上続けている人で、
1〜3年目の人は
2割もいませんでした。

そして、
「最初の数年がきつかった」と
自分の言葉ではっきり書いていた人は、
47,360件の中で30人ほど。

数としては
決して多くありません。

でも、
書かれている中身は
驚くほど似ていたんです。

「最初の1年半は、正直に言って地獄だった。自分をすり減らす仕事を辞めて、借金を抱えたまま起業したから。」

 

「会社を始めてから5年間は本当に地獄でした。」

 

「最初の三年は本当にしんどかった。売り上げが伸びずギスギスした雰囲気になる事が何度もあった。…プレッシャーで眠れない日が来るなんて会社員時代は思いもしなかった。」

 

「自営で35年。昨年年商5000万円で法人成り。年収、2000万。…しかし、最初の10年間は、こんなことなら勤め人になっていればと何度も思った。あちこちで借金して。」

みんな、
同じところを通ってるんですよね。

僕もめちゃくちゃ同感です。

ただ、
読んでいて一つ気づいたことがあります。

ここに挙げた声は
どれも、そこを抜けた人の
振り返りなんです。

年数を書いている人の半分は
10年選手で、
最初のきつさを
過去形で語っていました。

ってことは、
いちばんきつい時期にいる人ほど
コメントを書く余裕なんて
ないのかもしれません。

そう考えると、
冒頭の「会社員戻りたい」は、
そのまっただ中から出てきた
数少ない声だったことになります。

 

会社員に戻った人と、戻らない人


じゃあ、
きつい時期を通った人たちは
その後どうしたのか。

数えてみると、
会社員に戻った人が40人ほど、
「戻らない」と言い切る人が
30人あまりいました。

思ったほど、差はありません。

(当てはまりそうなコメントを
プログラムで全部拾い出し、
AIに1件ずつ確かめてもらった数です。)

戻った人の声は、
たとえばこうです。

「35歳でフリーランスから会社員に戻りました。3年やって諦めました。」

 

「グラフィックデザイナー、10年フリーやって今会社員です。営業も経理も雑務も全部一人でやらなきゃいけないの、分かってたけどキツすぎました。」

一方で、
こう書く人もいます。

「会社作って6年。絶対に会社員には戻らない。」

中には、
その両方を一人で
抱えている人もいました。

「この5年で、人生でいちばんの金持ちにも、いちばんの貧乏にもなった。それでも会社員には戻らない。」

つらいことと、戻らないこと。

この2つは、
同じ人の中で
普通に同居しているんです。

どっちの道にも、
ちゃんと人がいる。

僕はそう感じました。

 

僕も、本気で会社に戻ろうと思った時期があった


ここで、
僕自身の話をさせてください。

偉そうに書いていますが、
実は僕も起業したての頃、
本気で会社に戻ろうと
思ったことがあります。

当時の僕は、
Amazonで商品を販売していました。

そこで「すり替え詐欺」みたいなのに遭って、
40万円の一眼レフカメラが
空箱で戻ってきたんです。

必死で働いた1ヶ月分の稼ぎが、
一瞬で消えました。

さらに、
アメリカ人のビジネスパートナーに
500万円分の在庫を
持ち逃げされたこともあります。

そういうショックなことを
親に話すと、
「やっぱり、自分でビジネスなんかして
うまくいくわけないぞ」
と言われる。

友達からも、
「頭を下げて会社に戻ればいいんじゃない?」
って。

しかも、
僕が辞めた会社は
結構いい会社だったんですよね。

社員同士の仲もすごく良くて、
みんなでロードバイクを買って
長野の温泉に行ったりもしていました。

だから余計に、
「あの時、会社を辞めなきゃよかったな…」
「社長に頭を下げて戻ろうかな…」
って、本気で考えました。

実際、
「起業します!」と言って辞めたのに、
3年後ぐらいに
「やっぱりダメでした。戻してください」
と帰ってきた人もいたんです。

だから冒頭のコメントを見たとき、
とても他人事とは
思えませんでした。

 

流れが変わったのは、3〜4年目


それでも、
僕は会社に戻りませんでした。

流れが変わったのは、
起業して3年目から4年目にかけてです。

いい取引先が見つかって、
いい商品が見つかる。

少しずつ結果が出始めて、
時間にもお金にも
余裕ができてきました。

まわりの知り合いを見ても、
だいたい同じ時期です。

僕はよく言うんですけど、
独立して3年目ぐらいまでが
やっぱりいちばん大変なんです。

この「軌道に乗るまでの年数」は、
コメントでもよく語られていました。

並べてみると、
真ん中は4〜5年あたりです。

僕と同じ12年選手の、
こんな振り返りもありました。

「12年事業をやってきて、最初の4年はほとんど稼げず、次の4年は会社員並み、最後の4年でやっと、親世代の工場長くらいの稼ぎになった。何度も運に恵まれなければ、失敗していたと思う。」

最初の4年。

僕の3〜4年と、
ほぼ同じですよね。

もちろん、
軌道に乗ったら
楽になるわけじゃありません。

その後も努力は必要だし、
胃がキリキリするような
トラブルもあります。

ただ、
いい生活ができ始めるのは
このあたりからでした。

 

その先にあったもの


軌道に乗ってからは、
旅に出るようになりました。

ニューヨークに1ヶ月いたり、
年の半分くらいを
海外で過ごした時期もあります。

その旅の途中で出会ったのが、
今の妻です。

当時、妻はドバイで働いていて、
僕はそこに通うようになりました。

そして、妻の母国であるロシアに移り住み、
YouTubeで発信をしたり
コンサルをしたりしながら
暮らしていました。

向こうでの田舎暮らしは
とにかく生活費が安くて、
当時は月5万円もあれば
暮らせました。

僕はかなり地味に暮らして、
浮いたお金を
不動産に回しました。

ところが、
移り住んでしばらくすると戦争が始まり、
物価は体感で2倍以上になりました。

ただ、物価が上がれば
不動産の値段も上がります。

持っていた物件の価格は倍になって、
結果的に暮らしは
さらに楽になりました。

 

起業は無理ゲーなのか


では、
起業は無理ゲーなのか。

12年やってきた
僕の答えはこうです。

最初の3年は、
無理ゲーに近い。

でも、越えた先の景色は違う。

4万7千件のコメントを
分析してみても、
この感覚は変わりませんでした。

最初のきつさを語っていたのは、
ほとんどが
そこを抜けた人たちです。

その中には、
会社員に戻った人もいれば、
戻らない人もいました。

もし今、
ちょうどその時期にいるなら、
これだけは伝えたいです。

最初の数年がきついのは、
あなただけじゃありません。

12年続けている人も、
35年続けている人も、
最初はきつかったと書いています。

冒頭のコメントの人が
この先どちらを選ぶのかは
分かりません。

ただ、あの一文は、
12年前の僕が書いていても
おかしくなかった。

そう思います。

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