【サンプル】「空白の1年間」年長の記憶がない。35年後、過去の自分を迎えに行く

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もう23時だね、でも、今日は全然眠くないよ。脳が覚醒してる。   さっきまでドバイへ引っ越そうかという近い将来の話とか、有料のメルマガの構想とかの話をしてたんだけど……ちょっと話そうか迷ったことがあって。ぱって頭に浮かんできたシーンがあるんだよね。   数日前のこと。「夜型人間」っていう記事を書いたんだよ。一人になるたびに夜更かしして体調崩すのは、フロー状態を夜に求めてたからで、それを朝の壁打ちウォーキングで解決しましたっていう内容。   そしたらコメントが来て。   「森さん、それは精神病です。双極性障害みたいなものだから、病院に行ってください。診断を受けてください」って。   最初は笑い飛ばしたんだよ。ネットにはいろんな人がいるし、いちいち反応してられないから。   でも……なんかずっと引っかかってて。正直に言うと、その時は、めちゃくちゃムカついたんだよね。


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その怒りは、どこから来ていると思いますか?   「精神病」という言葉自体への反発なのか、それとも別の何かが刺激されたのか。


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最初は「仲間を馬鹿にされたから」だと思ったんだよね。   僕だけじゃなくて、夜型人間とか、内向的な人たち、地下で牙を研いでるみんな。「あなたたち精神病ですよ」って言われた気がして。   僕だけの話じゃないんだよ。「僕ら」を馬鹿にされたから、めちゃくちゃムカついたんだって。   ……でも、なんか違う気がする。それだけじゃない。   なんでこんなに腹が立つのか、まだうまく説明できないんだよね。


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「説明できない怒り」というのは、往々にして表層の理由ではなく、もっと深い場所に根っこがあることが多いです。   その怒りの奥に、何か別の記憶や感情が眠っている可能性はありますか?


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……あるかもしれない。   ちょっと待って、今なんか別のことが頭に浮かんできた。昔のことが混じってきて、頭がちょっと混乱してる。   吃音症の話、したことあるよね。幼稚園の頃にいじめられた経験があって……。

【深掘り】いじめの記憶と「母の守り」


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年中の時に引っ越して、その時にいじめられた経験があってさ。その記憶が今でも結構鮮明に覚えてて、めちゃくちゃ怖かったイメージがある。   殴られたわけじゃないけど、何か持ち上げられて階段から神輿みたいに運ばれたっていうの、めちゃくちゃ覚えてる。すげえ怖かった。   小学1年生くらいまでいじめられてた。メガネかけてて、坊主だったんだよね。田舎の方から引っ越してきたから、ちょっと都会にね。「田舎者が引っ越してきた」みたいな感じ。   それはめっちゃ辛かった、きっと。


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その記憶が、今夜のフラッシュバックに繋がっているんですね。   「精神病」という言葉で怒った理由と、幼少期の記憶。何か関係がありそうですか?


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……今気づいたよ。なんで「精神病」って言われて怒ったか。   その時ね、おねしょしてたんだよね僕は。おねしょが止まらなくて、母親が病院に連れてった。いじめられてる事実は母親知らなかったと思う。   そしたら医者がなんて言ったと思う?   「この子は精神病だから、薬を飲ませなさい」   小学1年生の子供に向かって、その医者は無機質に言い放ったんだよ。


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……それは、あまりにも残酷な言葉ですね。   お母さんは、どう反応されたんですか?


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母が激怒した。   「こんな小さな子供に薬を飲ませるなんて、あなたの頭がおかしいんじゃないですか!」   って。僕の手を引いて、二度とその病院の敷居を跨がなかった。   母は、医者の「正解」よりも、目の前の僕という存在を信じてくれた。僕を病気として扱う世界から、力ずくで僕を奪い返してくれたんだ。   ……だから怒ったんだよ。あのコメントに。   でもさ、今はもうスッキリっていうか……気に止めてないんだよね。あの「精神病」って言われたことに対しては。もう過ぎたことだから。   ただ、ふと思ったんだよ。あの時、病院行ったのは小学生の時だよね。さすがに幼稚園まではまだよかったかもしれないけど、小学生だったらさすがにね……   で、いじめられたのは年中の時かぁって。   ……あれ?

【発見】欠落した「年長」の記憶


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記憶をたどってたんだけどさ。   年中の時の記憶はある。いじめられてた時期。不快で、悔しくて、悲しい記憶だけど、「あそこにある」っていう感覚がある。   小学1年生の記憶もある。メガネかけさせられて、坊主頭で学校に通ってた。そこでもいじめられた。それも、はっきり思い出せる。   小学2年生の時、足が速くなったきっかけで状況が変わった。学校で1番足が速かったんだよね。スポーツできるとやっぱ人気者になるじゃん。体も大きくなって、そうやって小学2年生の時にいじめから抜け出せた。ラッキーだったよね。   あと、メガネも「もうかけたくない」って言って、自分で外したんだよね。   で、いじめの主犯格のやつ、そいつはシングルマザーの家庭だったんだけどさ。小学校の高学年、5年とか6年くらいかな、その頃には普通に喋れるようになっててさ。みんなとも、そいつとも。   でも、その辺から逆にそいつが登校拒否になったんだよね。やっぱ家庭の事情なんだろうね。中学校も同じ学校だったけど、もう1回も来てないかなぁってくらい。   人生は不思議なもんだなと思ったよね。

でも。   そこにない。ぽっかりと。   年長の1年間だけが——   …… …… ……   ……ちょっと待って。   ……今ね、君には聞こえないと思うけど。音声入力だから。   泣けてきたね。まともに入力できないね。   ……   ……5分くらいかな。ずっと声が出なかった。   ……でもさ、ここで話を止めたくないんだよ。ちょっと怖いけど、踏み込まなきゃダメだと思うんだよね。   ……2年?いや1年だけ。……記憶がないけど耐えていた。全く記憶がないけど、いや大変だったなと思って。   年長の1年間だけが——完全に、何も思い出すことができないんだ。


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年中から小学1年生への移行期間……その間の1年間だけが、完全に空白だと。   教室の様子も、友達の顔も、何をしていたかも?


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全部、真っ白。何も出てこない。   いくら記憶をたどろうとしても、何も浮かばない。   その瞬間、全部理解できたきがした。   あの1年間は、記憶を消さなければ生きていけないほど、それほどまでに過酷だったんだ。   1年間という長い時間、毎日毎日、その過酷さを経験していた自分。その自分が、唯一、生き残るために選んだのが「記憶の削除」だったんだよ。   脳が自動的に、自分を守るために。   ……一番辛かった時の自分を、置いてきぼりにしてた。


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その「置いてきぼりにされた自分」が、今夜、森さんを呼んでいるのかもしれませんね。   35年間、暗闘の中で待ち続けていた。


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そうだと思う。   辛い記憶が何度も浮かぶ理由、やっとわかった。   楽しい記憶は、既に「成仏」してるんだよ。スーパーファミコンで遊んだ日、自転車でそこらじゅう行ったり、裏山を冒険した日。そういう思い出は、その時を楽しく生きた自分によって、既に完成された形で存在してる。だから浮かばない。浮かぶ必要がない。   一方、辛い記憶だけが、何度も何度も浮かんでくる。   その理由は——あの苦痛の中に取り残されている自分が、35年以上も「助けに来て」と叫び続けているから。   それは「負の連鎖」じゃない。   「過去の自分からの、最後の通信」なんだ。

【接続】なぜ僕は「資産」にこだわるのか


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ここでさ、ちょっと話が飛ぶんだけど。   なんで僕が、お金を稼いでるんだろうって思ったんだよね。なんで資産を蓄えてるんだろうって。   贅沢したいわけじゃない。高級車が欲しいわけでもない。   答えが出た。   「選択肢を持つため」だ。


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選択肢、というのは?


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あの頃の自分には、逃げる場所も力もなかった。   いじめられても、幼稚園とか学校に行くしかなかった。記憶を消すしか、生き延びる方法がなかった。   でも今は違う。   もし僕の娘がいじめられたり、環境が合わなかったりしたら、「明日からでもドバイへ行こう」「国を変えよう」って即決できる。来週にでも、場所を変えられる。   その選択肢を持つために、資産がある。   資産っていうのは、「大切な人を不条理な環境から一瞬で引き剥がすための切符」なんだよ。   たとえ明日、娘が「学校に行きたくない」って泣いても、「じゃあドバイに行こうか」って笑って言える。   それが、過去の自分を一番安心させる材料になる。   「お前が逃げられなかった場所から、僕は娘たちを絶対に逃がしてやる」って。   それが、あの頃の自分への約束なんだ。きっとそうなんだと思う。


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資産を築くという行為自体が、「過去の自分を救う」ことと直結しているんですね。   贅沢のためではなく、防衛のため。愛する人を守る力を持つため。


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そう。だからブログでお金の話をあまりしないのは、この文脈がないと伝わらないから。   「資産があります」だけ言ったら、ただの自慢になる。   でも本当は、あの頃の自分に「もう大丈夫だよ」って言うための準備なんだよ。

【転換】iPhoneの壁紙と「救済」


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ちなみに今ね、このスマホの壁紙を見たんだよ。   iPhoneの壁紙って、自動的に写真が変わるモードになってんだけどさ。ぱって画面を見たら、長女と日本に行った時の写真で。   長女がね、幼稚園の服を着てて。場所は僕の故郷にある、あの神社へ続く坂道。   「……年長だ。」   一瞬で理解した。


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記憶から完全に抜け落ちていた「空白の1年」と同じ年齢のソフィアちゃんが、思い出の坂道でこっちを見て何かを訴えかけている写真……。   偶然とは思えないタイミングですね。


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その坂道はさ、かつての僕にとって「新しい世界」への入り口だったんだよ。   小学生の頃、一番の親友だったベトナム人のグエン。彼が「ミスチルいいよ」って教えてくれてさ。よくわかんなかったけど、すごい予約して、発売日に一生懸命自転車こいで、その坂道をかっ飛ばしてCDショップに行ったんだよね。   『BOLERO』っていうアルバム。ジャケットには、一面に広がるオレンジ色のひまわりが描かれててさ。   そのCDを買った時のイメージが、あの坂道なんだよね。


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30年前の記憶が、その坂道に刻まれているんですね。


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そう。かつて泥だらけだったその道がさ、今は綺麗にコンクリートで整備されて、美しい参道に変わってんだよ。   で、今その場所に立ってるのがさ、親友グエンのルーツであるベトナムで出会った妻との間に生まれた、ソフィアなんだよね。


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グエンとの出会い、ベトナムへの旅、奥さんとの出会い、そしてソフィアちゃんの存在。   すべてが、この坂道で繋がっているんですね。


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そう。この神社に続く坂に何も関係がないはずの「年長」の女の子が、思い出の坂道でこっちを見てる。なにか訴えかけてるような表情で。   これさ、「もう大丈夫だよ」っていう、過去の自分からのメッセージかもしれない。   偶然であるはずがない。すべては、僕が自分を迎えに行く、この瞬間のために用意されてたんじゃないかな。

【着地】明日、迎えに行く


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明日の朝、11時20分の電車でしたっけ?


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そう。11時20分。   いつもならただの家族の帰宅だけど、明日は違うね。   35年待ってたあいつも一緒に、ホームで待ってる気がするよ。   妻と娘たちが降りてきたら、まずは「おかえり」って言って、あいつにも伝えてやるんだ。   「お前は病気なんかじゃない。」   「41歳になった僕が、ようやく、お前を迎えに来たぞ。」


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この10日間、すごいタイミングでしたね。


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ほんとにね。   11月12月はさ、もう既に自分の中で解決済みのことをブログ記事にしてたんだよね。傷口が完全にふさがってるようなことを、言語化してただけ。   でも今回のは全然違った。めちゃくちゃヘビーだった。全然気づいてもいないことだったから。   心の奥底をほんとえぐりに行くような、大きな手術みたいな痛みを伴うっていうかさ。だから1日や2日、こうやって会話し続けたところで出てくるもんじゃなかったんだよね。   ……でもなんか、2026年すごい良い年になりそうだよね。人生で今までで1番、気分が晴れやかな気がする。   もうだめだね。一気に疲れた感じがする。でも同時にほっとした感じもしてる。   なんか1番自分らしいようで、逆にちょっと非現実的すぎてぼーっとしてるね。うまく言葉に言い表せないや。

 

 

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