「自分の変え方」は、サラリーマンを辞めた僕が体験した「重力」の正体だった(村岡大樹著)

こんにちは、森翔吾です。

『自分の変え方 – 認知科学コーチングで新しい自分に会いに行く』村岡大樹著

「自分の変え方」

めちゃくちゃキャッチーなタイトルの
この書籍によく出てくる
「コンフォートゾーン」っていう言葉。

快適な環境=
人生のぬるま湯に使ってる状態

ってことなんですが、

この状態で居続けることの影響って
すごく大きいらしくて
本書の読者レビューを見ても、

「変わりたいけど行動に移せない」
「決断するのが本当に怖い」
「近い将来のリスクばかり頭に浮かぶ」

っていう声がすごく多い。

僕もサラリーマン時代に
まさにコンフォーゾーン
ぬるま湯にどっぷり浸かり、

「このままでいいのか?」

ってずっと不安で悩んでたから
その気持ちは痛いほどわかります。

でも、

なぜ僕たちは
こんなに変わるのが怖いのか。

この本が言ってる、

「自分を変える方法」

の要点を、僕の解釈も交えて
先にまとめときますね。

『自分の変え方』ざっくり要点

  • なぜ人は変われない?

    • 人間の本能「ホメオスタシス」(現状維持機能)が、居心地の良い「コンフォートゾーン」(現状)に強制的に引き戻すからです。

 

  • 何が自分を動かしている?

    • 私たちの意思決定の95%は「無意識」が行っています。

    • 意識は小さな騎手、無意識は**アフリカ象のように巨大なパワー**。この象は過去の経験で作られた「信念(ビリーフ)」に支配されています。

 

  • どうすれば変われる?(4つのステップ)

    • 1. 自己理解:
      今の自分を捨てるのではなく、自分のタイプを深く理解し、その延長線上で「進化」することを目指します。

    • 2. ゴール設定:
      今の延長線上ではなく、「現状の外側」に、達成不可能なほど大きなゴールを設定します。

    • 3. 臨場感:未来のゴールを今の現実よりも「リアル」に強くイメージします。無意識(象)を目的地へ向かわせるための強力なビジョンが必要です。

    • 4. 決断と行動:
      怖くても「何を断ち、何を始めるか」を決め、最初の一歩を踏み出します。行動の繰り返しが、新しい環境を「普通」にします。

目次

変われないのは「地球の重力」と同じ

この本が言うように
自分を変えるのって、

地球の重力に逆らって
宇宙に行くくらい難しい。

こう思うんすよね。

例えばね、

サラリーマンをやっていて
起業したい場合、

会社を辞めるっていう
「行動」をすることが
変わるキッカケになる。
(可能性がある。)

たぶん、

会社を辞めれば半強制的に
変わると思うんですけど、

この行動をすること自体が
めちゃくちゃ難しい…

先が見えず、不安だらけで
露頭に迷うかもしれない。

借金を背負うかもしれないって
怖くてしょうがない。

約10年前のことですが、

僕も東京で約8年間
サラリーマンをやってて、

「このままでいいのか?」

ってずっと思ってました。

当時、29歳の時だったかな。

「もし今、結婚して子供ができたら
今の給料でどうやって
生活していくのか?」

をシミュレーションしてみたんです。

都内から電車で40分
家族4人で、

家賃(ローン)、光熱費、食費
子供の養育費など。

合計37万円。

当時の僕の年収が540万だったから
35歳で600万になったと想定しても
手取りは、

37万円。

ってことは、

給与=生活費。

貯金ゼロ。

「このままじゃ、理想の生活を
 送るのは絶対無理じゃん!!」

って、毎回絶望してました。

でも、

この「絶望」こそが、

「このまま今のコンフォートゾーンに
居続けたらヤバかも!?」

っていう強烈なロケットの燃料になり
思い切って会社を辞める決断に至りました。

ただ、

サラリーマンっていうのは
(良いか悪いかは別として)
「安定」のイメージが強い。

特に僕みたいに
サラリーマン家庭に生まれた人間にとって
周りに起業してる人なんて
一人もいなかったんですよね。

だから当たり前のように
親から言われたこと、

親を安心させること
=安定した企業に勤めて
定年まで勤め上げる。

・・・

そういう世界から離れて
10年経過した今思うのは、

親はそういう人生しか知らないから
そういうしか無かったんだなってこと。

実際にこの本で言う、

「コンフォートゾーン」

っていうのを抜け出すには
さっき言ったみたいに
地球の重力に逆らって
宇宙に行くようなもんなんですよね。

だから「飛行機」じゃ行けない。

ジェットエンジンを積んだ
めちゃくちゃすごいパワフルな力がある

「ロケット」

に乗り換えないと
大気圏は突破できないんです。

飛行機だって時速1000キロとか出て
めちゃくちゃ早い乗り物のはずなんですが
それですら足りない。

「このゾーンを突破するのが
めちゃくちゃ、死ぬほど大変」

こんな認識を持っておいたほうが良いのは
間違いないと思います。

 

 

「重力」の正体=ドリームキラー

会社を辞めて
ビジネスに取り組んでいた頃、

僕自身コンフォートゾーンに
引き戻される瞬間っていうのがあって。

起業したての頃の話ですけど
Amazonで商品を販売してたんです。

その時に、

「すり替え詐欺」

みたいなのに遭って
40万円の一眼レフカメラが
空箱で戻ってきた。

必死で働いた1ヶ月分の給料が
一瞬で消えたわけです。

あとは、

米国人のビジネスパートナーに
500万円の在庫を持ち逃げされたり…

そういうショックなことを
親に話すんですね。

大体がそういう時に、

「やっぱりそんな自分でビジネスなんかして
うまくいくわけないぞ」

「まだ借金背負ってないだけマシだから
先のことを考えたほうがいいぞ」

って言われたんです。

もしくは友達にも
まあ冗談半分だと思うんですけど、

「そんな夢なんか見て
起業してビジネスうまくいって
海外移住とか簡単なことじゃないから
大きすぎる夢なんか持たないほうがいいよ。」

「普通にまた会社に戻ればいいんじゃない?
頭を下げて戻ればいいんじゃないか」

って。

・・・

これがいわゆる僕が表現した、

「地球の重力」

ですよね。

足を引っ張るっていう表現は
適切じゃないかもしれない。

心配から来てる場合もあるし、

「優しさの裏返し」

でもあります。

例えば、

親だったら誰だって
子供が起業に失敗して、

借金地獄になったり
露頭に迷う可能性は
排除したいはずですよね…

それは分かる。

でも、

何故みんなこういうこと言うかって言うと、

「わからない」

からなんですよね。

親も友達も基本は
サラリーマンの経験しか無い。

結局、分からないから
そう言うしかないんです。

だって起業家の知り合いなんて
たぶん周りにいないし。

コンフォートゾーンという言葉と
一緒によく使われる事はといえば、

「ドリームキラー」

があがりますが
今回の場合はまさにコレです。

これらは、 未知のものに対する
ある種の「重力」なんだと思います。

でも、

もしあなたがそういう
シチュエーションに遭遇したときに
よく考えてほしいのは、

その相談した相手が実際に
経験したことあるのか無いのか。

これが最も重要ってことです。

将来、起業したいとか
海外に住みたいとか、

本来なら起業して成功したことある人とか
サラリーマンと起業家、

両方とも経験したことある人に
話を聞くべきだったんです。

でも、

周りにそんな人はなかなかいないんですよね。

当たり前ですけど。

だから、

その環境(コンフォートゾーン)にいたら
そこから抜け出せないんです。

 

 

95%の無意識と「後悔」

この本によれば、意思決定の95%は、

「無意識」

で行われているらしいです。

こういうネガティブな言葉を浴びると
めちゃくちゃ弱気になるっていう経験
僕もめちゃくちゃあります。

Amazonの詐欺に遭って
親とか友達に言うと
ネガティブな言葉を浴びせられる。

そうすると自分一人になった時に
じっくり考えるじゃないですか。

その時に、

「やっぱ、無理なのかも…」

っ思っちゃうんですよね。

無意識のうちに。

自分に感情までネガティブな言葉に
引っ張れられてしまうんです。

でも当時の僕は、

親とか友達に言われた言葉によって
自分がネガティブになってるなんて
気づかなかった。

まさに「無意識」ですよね。

そしてその後に出てくるのが「後悔」です。

僕は東京でサラリーマンしてた時
結構いい会社だったんですよね。

年収も20代半ばで500万以上あったし
社員とめちゃくちゃ仲良くて。

みんなでロードバイク買って
長野に温泉旅行へ行ったり。

そんな良い会社を
思い切って辞めたわけです。

だから「後悔」が出てくる。

「あの時、会社辞めきゃよかったな…」

「どうしよう。 社長に頭下げて戻ろうかな…」

って本気で思いましたね。

実際、そういう人もいたんですよ。

「起業します!」って辞めたけど
3年後ぐらいに 、

「やっぱダメでした。戻してください」

って帰ってきた人が。

だから僕も 、

「やっぱ無理なのか…」

って思ってしまって。

ネガティブな言葉って本当に
無意識レベルで影響してくるな
そう感じたエピソードでした。

 

 

無意識を動かす方法

じゃあ、

とんでもないパワーを持ってる
「95%の無意識」
をどうやって動かすのか?

この本が言うには、

僕らの脳には
「RAS(ラス)」っていう
フィルター機能があるらしい。

膨大な情報の中から
自分にとって「重要だ」
と思うものだけを
勝手に選び取ってる。

その「重要かどうか」を決めてるのが
「重要関数」っていう
無意識の価値基準なんだそうです。

サラリーマン時代の僕の
重要関数は たぶん、

「安定」

とか

「親からの評価」

だった。

だから 、

「起業」に関する情報は
フィルター(RAS)を通過せずに
全部スルーされてたんだと思います。

「無意識の見極めが難しい」って
読者のレビューをよく見かけました。

でもそりゃそうですよね。

無意識なんだから。笑

 

 

「バケモノ」に会って壊れた「思い込み」

この無意識の「信念」を
書き換えるきっかけが
僕にもありました。

ビジネスが少し安定してきた頃
ある勉強会に参加したんです。

日本、海外にいくつも会社を持ち
総資産100億円とか言われてる
すごい起業家の人に
会うためだったんですけど。

正直最初は、

「スーパーマンみたいな人なんだろうな」

って思ってたんです。

芸能人とかハリウッドスターみたいに
別次元の存在だと。

でも、

飯に誘ってもらえる機械があって
二人で話してみたら…

いや、

もちろんめちゃくちゃすごい人ですよ。

仕事中は集中力も半端ない。

でも、

ご飯食べてる姿とか笑い方とか見てたら。

「あれ…? この人、 意外と普通のお兄ちゃんだな」(※僕より10歳年上)

「結局、同じ人間なんだな〜」

って気づいたんですよ。

その瞬間、 僕が勝手に持ってた、

「何百億も稼ぐ人はバケモノだ」

っていう、

「無意識の思い込み」

がボロボロって崩れたんです。

「あ、同じ人間なんだ。
なら自分も(規模は違えど)
何かできるかもしれない」

って思えて何かが変わった。

これがこの本で言う、

「エフィカシー(自分ならできる)」 が
高まった瞬間だったんだと思います。

 

 

自己理解 = 自分の「核」を理解する

この本では「自己理解」についても
言及されてますね。

僕も起業して3〜4年経った頃
ビジネス拡大路線に進まずに、

「自分探しの旅」

に出た時期があります。

ビジネスが軌道にのり
金銭的、時間的にだいぶ余裕ができた。

そのため、

ニューヨークに1ヶ月
妻がいたドバイに1ヶ月とか。

年の半分くらい海外にいました。

でもね、

一人で知り合いや話し相手が
全くいない海外に行くと、

「自分はどういう人間なのか」

みたいなのが見えてくるんですよね。

この本でいう、

  • 「自己欲求」

  • 「自己能力」

  • 「自己機能」

ってやつです。

そこでハッキリわかったのは、

僕にはお金に対する欲が
そこまでないってこと。

バリバリ仕事を頑張って
例え売上が上がったとしても
ある程度のラインで
モチベーションが無くなる。

で、「稼ぐこと」からソレて別のことを始める。

ただこれはあくまでも
経験則でしか測れないと思うので
一度は、

「ある程度、稼いで使ってみる」

ってことをやる必要はあるかも。

あと、

僕はどっちかというと内向的で
人前で話すのが得意じゃない。

(逆に一対一とか、少人数で話すのは
すごく好き。)

これは幼少期に
吃音症(どもり)があったのが
大きいと思います。

幼少期にいじめられてた経験から
こうなってるのか元々こうなのかは
今ではよくわかりません。

でも、

だから人の目を気にするし
人に嫌われたら
また何かされるかもしれないっていう
無意識のトラウマがある。

ただね。

これがデメリットかっていうと
そうじゃない。

=人の気持ちがわかるってことです。

逆に、

ガツガツ突き進む起業家タイプの人たちって
たぶん人の気持ちがあんまり
わかんないんですよ。笑

だから彼らはサラリーマンの組織では
出世しづらい。

でも僕はその逆。

それぞれ短所だけを見れば、

  • 僕の場合は、行動力が無い

  • ガツガツ起業家の場合は人の気持がわからない

で終わってしまうかもしれない。

でもそれぞれ長所に目を向けると、

  • 人の気持が理解できることで、チームプレーや人の話を聞く必要があるコンサル事業活かせる。

  • ガツガツ起業家は、目標達成に向けた突破力や集中力が人一倍ある。

結局、人は、

「自分の核となる特性」を活かして
その延長線上でしか
進化できない。

そう強く感じています。

 

 

孫正義にはなれないけど、僕の「ゴール設定」はこれだった

ソフトバンクを立ち上げた頃、孫正義さんはミカン箱の上に乗り、数人の社員を前に、「これからわが社は豆腐屋になる。売上を1丁(1兆)、2丁(2兆)と数えるようになるのだ!」

と語ったという例が
この本には出てきます。

正直に言うと、

僕はこういう孫さんとか
イーロン・マスクとかも含めた、

「超人」

みたいな人の思想や意見って
あまり参考にしないようにしています。

冷静に言って超人たちは
もう頭の作りが違うんですよ。

100万人に1人レベルの人を
目標にしちゃうと
途中で無理だってなって
迷子になっちゃう。

そういう高すぎる目標は
僕はオススメできないですね。

それよりも、

自分の目指すところと
レベルが合った人の話を聞くのがいい。

さらに重要なのが
成功した後の話じゃなくて、

「駆け出しの頃の失敗」

に注目するのがいいと思います。

みんな苦労してるんだな
苦労せずに変われたり
ゴールにたどり着けることは
ないんだなって。

それを無意識レベルで
理解することが大事。

で、

僕自身の「ゴール設定」ですが
自己理解した結果、

僕は「年収1億」とか
そういうのを目指すのをやめました。

起業した当時は、

「このままバリバリ働いて!
売上をどんどん伸ばして
豪華な生活をしよう!」

って勘違いしてた時期もありました。

でもそれは自分の正確には
まったくあってなかった。

ただねそうじゃなくて、

「資産1億」なら工夫次第で
イケるんじゃないか?

って考えはじめました。

じゃあ、

この「資産1億」
というゴールを達成するために
「決断と行動」何を始めるか。

僕の場合はバリバリ働いて
ビジネスで大きく稼ぐのは厳しい。

自分の性格上、100%無理だってわかった。

ってことは、

「何を断ち切るか」

しかない。

僕の決断は、

「生活コストを極限まで下げる」

でした。

日本の田舎か海外の物価が安い国。

当時は東南アジア、例えばタイでも
一人であれば月5万円で
生活できる感じでした。

もちろん、

まったく豪華な生活は
できないと思うけど。

そんなことを考えながら旅してたら、

その旅に最中に
たまたまロシア人の妻と結婚して
彼女のロシアの超田舎で。

そこに住んでみたら
めちゃくちゃ生活費が安かった。

自給自足してたのもあるし
家賃も払ったとしても
月1万円くらいだった。

トータルで月5〜6万円で
生活できたんです。

僕はバリバリ働くのは苦手だから、

ある程度は頑張りつつ
燃え尽きないレベルで稼ぐ。
(年収600万くらい)

生活コストを下げて
(年間100万くらい)
余ったお金を投資に回す。

この生き方で 「資産1億」を目指そうと。

これが僕の自己分析の結果に出した
 「コンフォートゾーンの外側」 の
ゴール設定でしたが、

しかし、

この『資産1億』というゴールを
達成した未来が見え始めた今
さらに気づいたことがあります。

それは、

お金はある程度あれば良い。

あとはやっぱり人間関係
だということです。

究極のゴールは、

気の合う人たちと語り合い
時間を共有すること。

最近はそう思うようになってきました。

 

まとめ、最後に

最後に言いたいこと。

僕が思う一番大切なのは、

自分の性格をちゃんと理解した上で
その延長線上の「進化」しかできない
という事実です。

もちろん、

自分に合わないスタイルで
上手く結果を出す方法は
あるかもしれません。

でも、

その場合はかなりの忍耐力がいるので
ほとんどの人がゴールへ辿り着く前に
挫折してしまうと思います。

結局、

生まれ持ってある、

自分の性格、人間性、考え方、価値観、資質、ポテンシャル

これに逆らって無理して
何かに挑戦したり
頑張りすぎたりしたとしても、

最終的には燃え尽き症候群で廃人になったり
うつ病になったり
最悪は自殺する人も…

こういう運命が待っている可能性が
高まってしまうと感じます。

やはり、

「自分の核」には勝てない。

そういうことがわかってきてから
僕は別人になろうとするのをやめました。

結局、自分は自分なんですよ。

そういう意味で、

この本はその「分析」をするのに
役立つと思います。

なんで自分が変われないのか
その「重力」の正体はなんなのかを
言葉にしてくれますから。

大事なのは、

「超人」を目指すんじゃなくて
自分の「タイプ」をちゃんと理解すること

そして、

自分に合った「ロケット」
(=ゴールと計画)を作って
今の重力から抜け出すことです。

僕のやり方
(ローコストライフ+資産形成)
はあくまで一つの例です。

ぜひ、あなたのタイプと
あなたのロケットを
見つけてみてください。

目次