【ロシア中古車のリアル】1年で半額の中国車 vs 値落ちしない日本車の秘密

森翔吾です。

ここ数年、

ロシアで「車まわり」の景色が
一気に変わりました。

何が一番わかりやすいかというと、
まず道路です。

7年前に来た頃は、
穴だらけのアスファルトで、

「これ本当に幹線道路か…?」

みたいな道を
延々と走っていました。

夜、片側1車線の暗い道で、

ライトもつけていないトラックを
避けながら、

汗を握ってハンドルを握っていたのを、
今でもよく覚えています。

 

目次

穴だらけの道が、無料ハイウェイになった


それが今は、

穴の空いている道を探す方が大変

というくらい、
様子が変わりました。

南ロシアまで
2,000キロ以上走っても、

「あ、ここひどいな」

と思う道がほとんどない。

昔の
「ロシア=ボコボコ道」
のイメージとは、

まったく別物です。

象徴的なのが、
片側1車線だった道が、

片側2車線の無料ハイウェイ
になっているところ。

100キロ以上、

ずっときれいな高速道路が
続く区間もあって、

「あれ?ここ本当に
同じロシアだよね?」

と、何度も
確認したくなるレベルです。

さらに、

カザンとモスクワ、
エカテリンブルクをつなぐ

M12の高速道路もできました。

これができたことで、

物流のスピードが
一気に上がった
のを、
生活レベルで実感しています。

下記は僕が実際に走った
ロシア版のアウトバーン。

 

この高速道路ができたことで
物流が大きく変わりました。

特にネットショッピング
通販業界。

昔は、

「モスクワにはいい商品があるけど、
地方都市には届かない」

「届いても、
いつになるかわからない」

という世界でした。

今は、

モスクワにしかないような商品でも
ネットでポチれば、

2〜3日後には
近所の受け取り所に届く

街中には、

通販の物流センターや
受け取りボックスが、

これでもかというくらい
たくさんできました。

「物流が変わると、
生活がここまで変わるのか」

住んでいて、
本当にそう感じます。

 

道路が変わると、走る車も変わる


道路事情がよくなると当然ですが
走るも変わります。

7年前は、

いかにも「発展途上国」
という感じの古い車が
たくさん走っていました。

ロシア製の生きる化石
LADA NIVAをよく見かけた。

それが今は、

新車か、それに近い年式の車が
当たり前。

信号待ちで周りを見ると、

「あ、ロシアも
ここまで来たんだな」

と思います。

経済制裁で、

日本車やヨーロッパ車の新車が
ほとんど入ってこなくなったあと、

その空いたスペースを
一気に埋めたのが、
中国車でした。

街を走る車の半分くらいが
中国ブランド、

という光景も珍しくありません。

 

ディーラーごと、中国車ディーラーに変わった


僕らがスバル・フォレスターを
買ったディーラーも、

もともとは
トヨタやヨーロッパ車を
扱っていました。

それが、

経済制裁で輸入が止まった
タイミングで、

ディーラーごと
中国車ディーラー
衣替えしていました。

ロシアのディーラーは、
日本と違って、

ひとつの大きな敷地の中に
複数ブランドのディーラーが
集まっていて、

整備工場も共有している、
というケースが多いです。

だから、

看板だけ張り替えれば、
そのまま別ブランドを
受け入れやすい。

良く言えば柔軟。

悪く言えば、

「安定しない前提」で
作られているんだな
ってのを感じました。

 

元トヨタ担当が語る「中国車の怖さ」


そのディーラーで、
日本車を長く扱っていた
担当者と話したときのこと。

彼は、こう言っていました。

「中国車の新車は、今は確かによく売れています。

でも中古になると、一気に買い手がつきにくくなる。

リセールバリューが悪いのは、みんなわかっているんですよ。

あと、やっぱり日本車やヨーロッパ車ではありえないような壊れ方をする。

エンジンが燃えるとかもあるし、窓が開かなくなるとか、自動開閉のリアゲートが効かなくなるとか、

そういうのはもうしょっちゅうだよね」

ロシア語メディアでも、

中国車の部品供給の不安定さや、
修理の待ち時間の長さは
よく話題になります。

在庫があれば数日で来るけれど、

なければ本国から取り寄せで
数週間〜数か月待ち

そういうケースも
珍しくありません。

正規ディーラーが
あるにも関わらず、です。

部品がすぐ来ない車は、
中古で買うには怖い。

「壊れやすいうえに、
何カ月も乗れないかもしれない」

そう思うと、

どうしても
買い叩かれやすくなります。

結果として、

中国車は1年で
ほぼ半額
になることもある。

これは大げさな話ではなく、

実際に大手の
中古車の売買サイトを見ると、

400万ルーブルの中国車
➡ 1年後には160万ルーブル。

600万ルーブルの中国車
➡ 1年後には280万ルーブル。

こんな感じで
ザラに見かけます。

 

ドバイの「100万キロ・カムリ」


ロシアの中古車市場で、

中国車と日本車の
「値落ちの差」は
嫌というほど見てきました。

でも、

その違いを
一番わかりやすく
体感させてくれたのは、

ロシアではなく、
ドバイでした。

たまたま乗ったタクシーが、
とんでもない1台だったんです。

2016年モデルの
トヨタ・カムリ。

走行距離は、
ほぼ100万キロ

「引退間近のカムリ」に、
たまたま乗ることができました。

運転手さんに
詳しく話を聞くと、

昼は彼、夜は相方。

24時間エンジンを切らずに
走り続けてきた
そうです。

ちょっとレストランで
5分ご飯をかき込んで、
すぐ路上に戻る。

エンジンオイルは1万キロごと、
最後の方は
1万5,000キロごとに交換。

それでもエンジンに
大きな問題はなかった、
と笑っていました。

メーターは
「999,999km」で
止まってしまう仕様で、

「あと1万4,000キロくらいで、
本当に引退だ」
と教えてくれました。

そして彼は、

中国車についても
こう言っていました。

「中国車も試したけど、10〜20万キロで終わってしまう。
でもカムリは、100万キロまで走れる。高いけど、そのぶん仕事でも元が取れる」

実際に乗ってみて、
驚きました。

100万キロ近い車なのに、

エンジンが不安定だとか、
シートがボロボロだとか、

そういうのが
まったくなかった。

言われなければ、

「ちょっと年季の入った
普通のタクシーだな」

くらいの感覚です。

100万キロの車に乗っている、
という実感がまるでない。

ロシアのディーラーも、
ドバイのタクシードライバーも、

同じことを言っている。

これは偶然じゃないと思います。

 

 

10年落ち日本車を選ぶ人たち


ロシアの中古市場でも
この信頼感
そのまま価格に反映されています。

ディーラーの担当者は、

自分の車について
こう言っていました。

「自分で乗るなら、
10年落ちくらいの日本車か、ヨーロッパ車にしますね」

日本だと、

10年落ち、10万キロ
=そろそろ寿命

というイメージが
あるかもしれません。

でも、

ロシアでは
走行距離20〜30万キロの
トヨタなんて当たり前です。

50万キロ近く
走っている個体も
普通に見かけます。

それでも
エンジンは元気で、
買い手もつく。

100万キロ走るカムリを
見てしまうと、

10年落ちくらいは、

むしろちょうどいい中古にすら
思えてきます。

ロシアでも、

「新車の中国車」を買う代わりに、

状態のいい
「10年落ちの日本車・ヨーロッパ車」
を選ぶ人たちがいます。

彼らは、

最初からリセールバリューと
耐久性をセットで見ていて、

「長く乗っても
値落ちしにくい方」

を選ぶ。

その結果として、

日本車の中古は
ロシアでも根強い人気を
保ち続けています。

 

「全部ダメ」ではなく、選び方の問題


とはいえ、

「中国車=全部ダメ」

と捉えてほしいわけでは
ありません。

中国車の中には、

日本製のトランスミッションや、
ボルボ系のエンジンを
載せているモデルもあります。

HavalやCheryのように、

ロシアでのサービス網や
部品供給を、

しっかり整えようとしている
ブランドもあります。

大事なのは、

「中国車かどうか」ではなく、

どのブランドが、
どこまでロシア市場に
コミットしているか。

そして、

中古になったときに、
部品がちゃんと
手に入るかどうか。

この2つをどう見るかで、

「賢い買い物」になるのか、
「安物買いの銭失い」になるのかが、
大きく変わってきます。

 

フォレスターを手放した本当の理由は…


今日は、

ロシアの道路事情と、
中国車 vs 日本車という、

わりと「表側」の話を書きました。

穴だらけの道が
きれいな高速道路に変わって、

通販が2〜3日で
届くようになって、

その結果、

街を走る車も一気に変わった。

その裏で、
中古車市場では、

「中国車はすぐ値落ちする」
「10年落ち日本車が選ばれる」

という、

ちょっと面白い現象が
起きています。

実は、

僕自身も今年の頭に、

ロシアで乗っていた
スバル・フォレスターを
手放しました。

YouTubeにたくさん映っている、
あのフォレスターです。

単に売却した
わけではありません。

しかも今朝、

カザンの街で
新型フォレスターの試乗車
走っているのを目撃しました。

経済制裁で撤退したはずの
スバルが、

なぜロシアで
テストドライブを提供しているのか。

フォレスターは
いくらで売れたのか。

なぜ、
売らざるを得なかったのか。

そして、

車を手放して1年経った今、
僕たち家族がどう感じているのか。

そのあたりの、

「表では書きづらい本音」は、
メンバー用の記事で
書きました。

note(ノート)
制裁下のロシアで「新型フォレスター」を目撃。僕が旧型を手放した理由。|森翔吾 【ロシア中古車のリアル】1年で半額の中国車 vs 値落ちしない日本車の秘密 | 森翔吾の公式ブログ 森翔吾です。 ここ数年、 ロシアで「車まわり」の景色が 一気に変わりまし...
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